シンガポールは、ホテルが充実している。代表はもちろん、世界中のVIP御用達のラッフルズ。泊まってみたいと調べると、なんと一泊安くて６万円。値段もすごいが、子連れでホテルの雰囲気を壊すのも気が引けるので遠慮。
外国では超一流ホテルのロビーに子供がウロチョロなんていうのは、許されない。
つれあいは今まで、世界のホテルのガイドブックの編集をしていた関係で、日本のホテル予約事務所の営業マンと知り合いになっていたので、お得なキャンペーンがないか問い合わせる。すると、「安くは出来ないけど、部屋をジュニアスイートにしてあげる」と、グランドハイアットの担当者から言われる。ガイドブックを見ると、一泊4万くらいするような、すごそうな部屋。２万円くらいでいいという。我が家がこんないい部屋に泊まれるのはこれが最初で最後かも．．．と、２泊お願いする。（５泊すると予算オーバーのため）もう一軒は、子供孝行のため、プール充実の宿を調べる。セントーサ島にあるシャングリラ・ラサ・セントーサは子供用プールやスライダーもありリゾートホテル風。やはり、日本の予約事務所の担当者が、旅行会社向けの代金でＯＫと言ってくれ、1泊約13,000で泊まれることになった。（代金は全て１部屋の代金。＊人数じゃないです）
これで予約完了。ワクワク。

＜ホテルの会員になる＞
今回、ツアーやクーポンでなくホテルを利用することになったので、初めてホテルのメンバーズクラブに入会した。
一つは、シャングリラのゴールデンサークル。入会無料で、入会しただけで、朝食がサービスされたり、ホテルによっては空港からの送迎があったりする。お得なパッケージのお知らせなども郵送されてくる。
もう一つは、ハイアットのメンバーズクラブに入会。入会無料。こちらは、特に滞在中の特典はなかったが、ポイントを貯められるので、役に立つこともあるかも、という程度。

３月末は仕事が忙しかったので、有休なんかとってる場合じゃなかった。３月の土日に出勤して仕事の帳尻を合わせ、出発日も15時まで仕事。飛行機はちなみに17:25発。当日はハラハラドキドキ。15時ぴったりにタイムカードを押して、品川駅まで走り、15:14分の横須賀線に乗り、15:33東京発の成田エクスプレスに乗る。16:28成田空港着。連れ合いと子供と落ち合う。14:50ごろ、会社あてにつれあいから電話があり、「チェックインはしたけど、搭乗券は本人が来ないと渡せないって」とのことだったので、成田空港につくなり、携帯に電話し、場所を聞いて落ちあう。
「バスで飛行機のところまで行くので17:10でゲートしまりますから、急いでください。」と言われる。あと、30分くらいある。ホッ。間に合った。良かった〜。
出国審査を抜け、慌ててゲートまで移動中、つれあいが、「Yがちょっと熱っぽいんだ」などと言う。「薬買った？」「買ってない」「なんで、２時間も待ってる間に、風邪薬くらい買って飲ませないのよ？馬鹿じゃないの！？」と非難する。「中の免税店で売ってるよ、きっと」などと言う。「子供用の風邪薬なんて、ないよ。出国する前の薬屋ならぜったいあったのに！」私の予感的中。せいぜい小児用バファリンがあるだけ。そんなのは常備薬で持ってるし、今は熱はそんなに出てない。風邪薬を早めに飲ませればケロリという感じの状態なのだ。
「まったく、信じられないバカ」心の中で毒づく。「仕方ない。シンガポールには大丸とか高島屋に日本の薬があるはずだ」と自分を勇気付ける。

親の心配をよそに、本人は微熱なんかなんのその、元気いっぱい。キッズ用オモチャをもらい、せっせと遊んでいる。なんか、ハワイに行った時と同じオモチャだが、本人は前回小さすぎてほとんど遊べなかったので、今回は喜んでやっている。（クレヨン付きでシールやぬりえなんかがついている。この中に入っている、水にぬらして肌にあてるだけで刺青風になるシートは絵柄もかわいく、お気に入りに。帰国後にやったが、腕が絵だらけになっていた。）騒ぐことも泣くこともなく、いい子で過ごしてくれる。
シンガポール23:15着。入国審査もスムーズ。荷物を機内持ち込みにしたので、すぐにタクシーに乗り、ホテルへ。24:00ホテル着。ホテルは出入り口にドアがなく、フロントが外にあって「グアムとか東南アジアによくある感じ」と思ったが、ここは東南アジアでした。

つれあいは、２度目のシンガポール。私とYは初めてのシンガポール。旅行前、つれあいは「暑いからやだなあ．．．」とずっと言っていた。朝、起きると全然暑くない。時差１時間なので楽。シャングリラホテルのメンバーズプログラムの会員になっていたので、朝食はサービス。指定のコーヒーショップに行き、パンとコーヒーとジュースの朝食。プールエリアとビーチを散歩して見学。なかなか広いプールだ。子供用の遊具のある公園風の一角も有る。気温がまだ低いのと子供の微熱が気になるので、プールに入るのはやめ、早速ホテルのシャトルバスで高島屋まで行き、子供の薬を購入。日本語で用法を書いてある日本の薬にしたら、すごく高い。仕方ない。つれあいが阿呆のせいじゃ。
Yの様子が元気いっぱいなので、高島屋から、シンガポール動物園までタクシーで行く。
ここではオラウータンと朝食を食べたり、象に乗ったり出来る。オラウータンの方は今回はやめて（写真を撮るだけなのに法外に高い食事代をとるので）、象に乗ることに。時間を聞いてそれまでのんびり動物園を見て周る。子供は動物園が大好き。ここは、自然（川など）を利用して動物と人間のエリアを分けていて、檻などがないのだ。動物のいる場所も広くて気持ちがいい。
昼頃から異常に暑くなってきて、汗かきのつれあいとYは顔中汗ダラダラにしている。象ライドは13:30からで、大人Ｓ＄３、子供Ｓ＄２（１Ｓ＄≒６２）。安い。実際乗ってみると、高いし、ゆれてこわい。Yも「・・・・」と無言。怖かったようだ。ビデオを撮っていたつれあいは顔が凍っていた、と言っていた。
14:30動物園を出発し、15:00にオーチャードロードに着く。 地下にあるスーパーマーケットでイチゴ、スイカ、水、ジュースなどを仕入れ、ホテルのシャトルバスに乗る。16:00過ぎホテルに着くが、まだまだ暑く、少しプールに入ることに。プールの滑り台で怖がるので一緒にすべる。 子供用滑り台は３つある。浅い子供用のプールエリアも広い。ジャグジーのプールもあった。１時間も入らず部屋に戻り、食事とミュージカルファウンテンを見に、セントーサ島の中心部へ。食事をしていたら、すごい雷雨。ミュージカルファウンテンはあきらめ、ホテルに戻り９時ごろ就寝。Yの熱は36.9℃。

３日目。朝はルームサービス（無料）。ベランダで食べると、鳥の声がいっぱい聞こえて気持ちいい。午前中は涼しいようだ。今日は、マーライオンとラッフルズホテルを見に出かける。マーライオン公園に行く途中、「エクスキューズミー」と日本人女性の２人連れに声を掛けられる。写真を撮ってほしいとのこと。私達も日本人なんですが．．．そんなにつらそうな英語で話し掛けなくても．．．と笑ってしまう。私が横で日本語で子供と話していても「サンキュー」と言う。後ろ向きになってから「日本人だった？」「違うんじゃない？」などとヒソヒソ話しているのが聞こえて、ちょっと、複雑な心境である。
Yはマーライオンが気に入ったようだ。見えるたび、「マーライオン！」と騒いでいる。その後歩いてラッフルズホテルへ。ここのホテルの直営ショップでお土産を買うつもり。自分用にコーヒーカップと思ったら、結構高価（２千円位する）。しかし割ってしまって必要なので買う。ルイヴィトン・エトロ・ジムトンプソン・コーチなどのブランドショップものぞいてみる。それほど安くないようだ。最近はシンガポールに買い物にというのも聞かないしなあ、と納得。
お昼は飲茶と決めていたので、飲茶のあるレストランを探して入る。するとみんなが頼んでいるなべやきうどん風の土鍋があり、「あれは何ですか？」と聞くと「フカヒレスープです」とのこと。試しに頼んでみる。１人分の鍋焼きうどんくらいの土鍋にたっぷりのフカヒレ。おいしい。Yは麺類好きなので汁ソバを黙々と食べている。満腹。支払は全部で\5,000ほどだった。
ホテルに戻りプールで遊ぶ。16:30ごろプールから上がり、徒歩３分ほどのアンダーウォーターワールド（水族館）へ。ここは、八景島にあるような水の下をとおるトンネルがあるそうだ。実際行ってみるとすごくトンネルが長く、泳いでいるのも大きいサメだったりして大迫力だった。Yもとても楽しんでいた。
まだ明るいので、モノレールに乗ってマーライオンタワーへ行き、上から景色を眺める。マーライオンの口は狭い。
そこからまっすぐ降りて、昨日見られなかったミュージカルファウンテンを見る。ラスベガスのベラッジオの洗練された噴水ショーを見ているので何とも安っぽく感じてしまうが、まあ、こんなものでしょうか。つれあいは長すぎて途中で飽きた。物語がくだらない。センスがない。とボロクソに非難している。無料のショーにそんなに求めても、と思う。（ラスベガスのほうも無料だが） 食事をしに行こうと思ったらまた雨。ここは熱帯なのだ。スコールが必ずある。ということでモノレール乗り場のバーガーキングでハンバーガーを買って、部屋で夕食。子供は喜ぶが、親はゲンナリ。

４日目。今日はセントーサ島のホテルをチェックアウトする日。朝食はルームサービス。早朝のうちに、シャトルバスにのり、ワールドトレードセンターに行き、セントーサ島に入るケーブルカーに乗る。つれあいはこういう乗り物が大好きだ。前日、「えー？ケーブルカー？」と渋ると、「じゃ、俺とYだけ行ってくる。あんた部屋で寝てたら？」などと言う。冷たい。片道しか乗らないが、ケーブルカーは往復料金しかない。セントーサ島のホテル滞在者はリエントリー券を持っているので、入島料を払わなくていいのだけがお得な点か。このケーブルカーは乗るとすぐに海の上に出る。はるか下に真っ青な海。高所恐怖症じゃないけど「こわい」「早くついてーーーー」と思う。つれあいと子供は「おー、おー」と楽しんでいたようだ。眺めはすばらしかった。
ケーブルカー駅からモノレールでセントラルビーチへ。ここにはイルカと泳げるというドルフィンラグーンがあるはず。ところが、全体が工事中。あきらめ、ビーチトレインという汽車をかたどった車に乗りホテルへ。セントーサ島内の交通機関は全て無料。（モノレール・バス・ビーチトレイン）入島料に含まれている。
ホテルに戻るとまだ１０時。チェックアウトは１２時なので、プールに入ることに。１１：３０チェックアウト。１２時のシャトルバスでオーチャードへ。今日はグランドハイアット泊だ。
グランドハイアットは場所も良く、ロビーも豪華。チェックインして部屋に入るとびっくり。２０畳くらいのリビングがあってとなりに同じ位の広さの寝室。ＴＶは各室にあり、寝室の奥はクローゼットルームとシャワーブースとバスルーム、トイレは２箇所。子供が喜んで走り回る。我が家の全面積より広そうな部屋だ。各階にいるバトラーがフルーツと日本語の新聞を届けてくれる。こんな良い部屋に泊まるのはもうないだろうなー、と思いつつ、広くてやたら部屋を動き回ることになり、「広すぎて困る！」と思う。窓の外には中庭が見え、ウェディングの準備のようだ。今にも降りそうな空なのに、大丈夫かな？人ごとながら心配。お昼を食べに、地下のイタリアレストランへ。Yはスパゲティも大好きだ。ビュッフェ形式になっていて、種類豊富なパスタに具を選んで調理してもらう。デザートも食べ放題。おいしい。ここでも満腹。食後、早速プールチェックに。プールは標準的。曇りなので寒め。プールへの通り道で結婚式をやっていた。
プールから戻ると、雨。窓の外のウェディングパーティーは慌てて撤収。慣れているのか手際が良い。フルーツを食べたりして待っていると小降りになる。ナイトサファリへ行く予定を決行することに。ナイトサファリ19:30からなので、19時過ぎタクシーに乗る。30分ほどで着いたが、日本語トラムは20:35になる。のんびりみやげ物などを見て待つ。ナイトサファリは夜しかやっていない動物園で、トラムに乗って周るコースと歩いて周るコースがある。全部見るには両方のコースをみる必要がある。照明は最小限、カメラのフラッシュは禁止。夜行性の動物が活発に活動しているのが見られる。トラムは１Ｈほど。その後、歩いて周るコースをほぼ全部歩く。人がたくさん歩いているので暗いが怖さはない。照明の中で見るキリンの美しいこと。Yはこうもりが、すいかに食いついているのが印象に残ったようだ。２２時ナイトサファリをでてタクシーでホテルへ。２３時着。

５日目。今日は遊べる最終日なのでのんびりオーチャード散策をする。朝食は近所のビルの地下にあるフードコートで食べる。シンガポールはビルの地下にたいていフードコートがあり、写真と値段が出ていて、その場で作ってくれる。値段も安く、おいしい。私はおかゆ。つれあいはヤキソバ。Yはなぜかマックのホットケーキ。マックが一番高い。
その後、グランドハイアットの隣のビルにあるフットマッサージ屋さんに行く。「Are　you　stay　here？」と聞かれたので「yes」と答えると、精算時、＄４５とガイドブックに出ていた料金が＄３０だった。なるほど、＄４５は観光客用料金で、私達は、現地在住の日本人と思われたようだ。こういう間違いは歓迎。フットマッサージは時々すごく痛く、それが悪いところらしい。Yは横で面白がりながら見ていて、今でも、「マッサージしてあげる」と言って足の指をチョイチョイさわったりして遊んでいる。
ふらふらと高島屋ショッピングセンターへ。１日目に地下の薬屋に寄ったが中は見てない。１流ブランド店が勢ぞろいしていて１件１件が大きい。ちょこちょこと見学。ヴィトンは人気のヴェルニシリーズが１つもない。売り切れか、入っていないのか、どちらにしても買わないので関係ないが。
お昼ご飯を地下のフードコートで買い、ホテルに戻ってのんびり食べる。ラッフルズかグッドウッドパークのハイティーに行きたかったがなんだか面倒くさくなってしまった。午後はプールに入る。寒くなってきてプールから上がり、お土産を買いに出かける。スーパー（そごうらしい）でチョコとお茶を買う。自宅用に杏仁豆腐パウダーを買う。Yが食べたがっていたハーゲンダッツでアイスを食べる。夕食は近くのフードコートへ。つれあいは北京ダックなどが食べたかったようだが、スコールもきたので断念。ずっと気になっていた亀ゼリーも買って試食。まずくはない．．．が、美味しくもない。やっぱり、薬かな。
Yは毎回違うトイレを使って喜んでいる。明日が早いので早めに就寝。

６日目。４：２０起床。４：５０チェックアウト。ホテルからタクシーで、５：２０空港着。ユナイテッドのカウンターのチェックインもスムーズ。カフェテリアで、クロワッサンの朝食。２４Ｈ空港とはいってもやはり早朝深夜は店も閉まっていてさびしげ。飛行機は７：００発。１３：３０ごろ、予定より早く成田に到着。帰りも飛行機からターミナルまでバスだった。１８：００自宅着。
Yはシンガポールでカゼを治したよう。（あれだけ暑くて汗をかけば治る？）
体調を大きく崩さなかったので良かった。本人は、「また、夜の動物園に行きたい」そうだ。
計画では、時間があれば、ジョホールバル（マレーシア国境）までマレー鉄道に乗ろう、とか、ビンタン島（インドネシア）に海に入りに行こう、なんて思っていたのだが、初回の旅行でここまで欲張ることは無理と思った。シンガポールだけでもまだまだ見ていないところがいっぱいある。
でも、我が家のモノサシでは、やっぱり他の旅行地と比較すると、一度行けば十分な場所（シンガポールファンの人ごめんなさい！）という感じは否めない。（まあ、我が家が特殊なので話し半分に．．．）
衛生的で、安全で、嫌な目にあうことが少ない外国であることは確か。